2022年03月17日
江津湖
江津湖は、街中にあって一日40万トン以上の清らかな湧水がわく、「地下水都市くまもと」を象徴する湖です。
一帯は縄文時代以降の暮らしの跡が残る昔からの湧水地でしたが、約400年前に加藤清正公が築いたとされる堤防「江津塘(えづども)」によって湧水がさえぎられ、今のようなひょうたん型の湖が形作られました。
水前寺成趣園に近い側を上江津湖、その先のエリアを下江津湖と呼んでいます。
江戸時代、上江津湖のほとりには細川藩主や家老たちの別邸が建てられ、成趣園とは舟で往来するほど水量は多く、舟運の利用も盛んでした。
明治から昭和初期にかけては料亭などが立ち並び、遊覧船が浮かび、庶民の憩いの場所としても親しまれるようになりました。また、詩情あふれる景観は多くの文人たちにも愛されました。
現在も希少な水辺植物が自生し、野鳥が往来する豊かな自然の中で、四季折々の景観や水遊びが楽しめる、かけがえのない市民のオアシスです。
【ゾウさんプール】
かつて水遊びで賑わい、貸しボートも浮かんでいた湧水プール。
ゾウ型の滑り台が目印。
【中村 汀女(なかむら ていじょ)句碑】
「とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉(とんぼ)かな」
1932年の句。文化功労者、日本芸術院賞、名誉市民。