水前寺エリア
2022年03月16日
玄宅寺(旧水前寺)
玄宅寺は、初代藩主忠利公が建てた「水前寺」を継承する、曹洞宗のお寺です。忠利公は熊本入国の折に、崇敬する豊前耶馬渓(大分県中津市)の古刹・羅漢寺の住職・玄宅禅師を伴っていました。

寛永13年(1636)、忠利公は今の水前寺成趣園の場所に玄宅和尚を開山(初代住職)とする「水前寺」を建立しました。あわせて寺領50石と直筆の「水前寺」の額も与えるなど、藩主の手厚い支援があったことがうかがえます。

4代光尚公の代に、諸事情で寺は隣地に替地を賜って移転し、寺の名前も「玄宅寺」と改めました。明治初期の火事でほとんどの宝物や資料が焼失し、忠利公直筆の額も残されていません。

幸い、江戸中期から後期の細川家絵師らによる『閻魔十五王図』11幅が伝わっており、毎年7月16日のえんま祭りに合わせてご開帳されています。